2006-06-01

不死鳥、その名は「はやぶさ」  [by miyachi]

久しぶりの宇宙開発ネタ。「はやぶさ」がしぶとい!本当に不死鳥のように蘇ってきます!

 探査機:「はやぶさ」のイオンエンジン起動試験に成功

4基あるイオンエンジンのうち2基のイオンエンジンの起動試験に成功して加速も良好とのこと。凄い!制御不能の状態からここまで地道に回復させてきたんですね!では川口プロマネのお言葉を。

 「エンジンが2台あれば帰りの飛行は可能だ」

うんうん。帰還を待っているぞ!>はやぶさ
ところでこのプレスリリースがJAXAサイトには無いのは何故?
あと松浦さんがまたまた現状暴露のような辛口記事「低コスト化で岐路の立つM-Vロケット」を連載中!

 第1回:表面化する日本のロケット開発力の衰退
 第2回:失敗が生かされない設計の裏に旧組織からの確執
 第3回:問題の根本は情報収集衛星による予算不足

全4回の予定で最後は明日掲載予定のようです。それにしてもJAXAによるNASDA/NAL/ISASの3機関統合によりある程度予想はついていたが世界にも類が無い全段固体ロケットのM-Vロケットの先行きが不透明だ。

H-2Aが使っているSRBも大型の固体ブースターだが、ブースターとメインエンジンでは色々と機構も違うので一緒にするのはあまりにも無理がある。規格にしてもNASDAとISASではかなり違うし運用方法もかなり違う。これを無理やり統合するのか並存させて行くかの分岐点にあると思う。予算削減で単純に考えれば無理やり統合なのだろうが…

今のJAXAとISASの関係は、NASAとJPLに近いようにも思える。しかし最も異なるのは、JPLは打ち上げはNASAに依存しているがISASは独自のM-Vロケットを持っている事だろう。このM-Vロケットの扱いにJAXAは困っているように見える。

世界を見回してみて1カ国で複数の系列のロケットと複数の打ち上げ場を保有しているのは日本以外では米露くらいだろう。欧州でさえアリアン1種類(その中のシリーズはある)だ。贅沢と言えば贅沢なのかもしれない。

しかしNASAをお手本にしてきた旧NASDAと独自路線の旧ISASの技術は今や水と油のようにも思える。「はやぶさ」をはじめ日本の科学衛星を打上げて来たM-Vロケット。時代の流れに押し流されてしまうのかもしれないが、一人の宇宙開発ファンとしては一抹の寂しさも感じる。これはあれかなあ、独自の歴史を歩んで来ただけにそれが否定されるように感じるからかなあ。

でも歴史を捨て去るのは簡単だが、再度歴史を創るのは大変だぞ!どうか関係者の皆さんが賢明な判断を下されるのを祈るばかりです。これが単なる杞憂に過ぎないのなら一番良いのですが(^^;

追伸:はやぶさポスター良いなあ。申し込んじゃおうかな(^^;
2006-06-01 09:22:00 - miyachi - - [宇宙開発] -