宇宙開発マニア向けのiPhone/iPod touchアプリとしては何と言ってもこの
「GoSatWatch」だ。価格は
1200円するけど安い買物ですよ!右の画面を見て貰えれば一目瞭然だと思いますが、ISS/シャトル/人工衛星なんかの現在位置を確認するアプリです。そう宇宙開発の管制センターでメルカトル図の上にシャトルや衛星なんかの軌道が出ている
写真を良く見ると思いますが、それが自分の手の中で実現してしまうので。これは宇宙開発マニアとしては
買いでしょう。と言う事で興味のある方だけ [続きを読む] にて。
[続きを読む]
日本中が某国の
「ミサイル」発射で議論や解説がこれでもかと言うくらいに行われている。またマスコミの過剰報道のような気もするが一人の宇宙開発マニアの視点で今回の問題を分析してみる。
まず「ミサイル」なのか「衛星打ち上げ」なのかと言う議論があるが無意味であろう。どっちも基本的に同じ物だ。目的が異なるだけ。基本的と書いたのは「誘導装置」の有無で多少は違いがあると言えるかもしれないと言う程度。ミサイルは目的とする場所に打ち込め無いと意味が半減する(ただし後述するが今回は意味がある)ので、誘導装置は必須となる。過去にISASが打上げた日本最初の人工衛星
「おおすみ」は政治的配慮から精密な誘導装置は使わず「重力ターン」方式で軌道に乗せた。精密な誘導装置が無いからISASのロケットは「ミサイル」では無いと言う為の措置だが、実際にはロケットでも「誘導装置」があった方が良いのは自明であろう。実際M-VやH-IIAはもちろん誘導装置を搭載している。その意味で機能面から見て「ミサイル」と「衛星打ち上げ」に違いは無い。
次に「何故日本に向けて発射するのか?」と言う疑問も出ているようだが、非力なロケットで衛星を打上げようとすれば東に向けて打ち、地球の自転速度も利用する方が楽だと言う回答になる。極軌道と言う南極と北極を通る軌道の場合は南北のどちらかに打上げる事になるが、南だと韓国さらに沖縄近辺を通過する事になるし、北だとロシアや中国の上空を通る事になる。東西南北を他の国に囲まれた某国の場合はいずれにせよどこかの国の領土上空を通過して、1段目と2段目を落下させる必要がある。その場合に最も効率が良い真東に打てば、
1)通過するのはどうせ国交関係が悪化している日本だし。
2)1段目も2段目も海に落とせるし。
3)最もアピールしたい米国へのプレッシャーにもなるし。
と言う事で某国としては真東はメリットだらけなのである。ちなみに真上にロケットを打上げても軌道速度(横方向の速度)が出せないので落ちてくるだけ。なのでロケット打上げでも真上を目指す事はありません。最初は真上を向いていますが速度を出すのに邪魔な空気が無くなった高空で横方向に向きを変えて軌道速度を稼ぎます。
ちなみに真東から4度角度を変えると津軽海峡上空を通過するそうで、実際にテポドン1号の時はこの津軽海峡通過ルートを通ったと
松浦さんの記事にあります。今回真東なのはなめられている(または日本に対する効果を考えている)のか、たった4度でも効率の良さが必要だったのかのどちらかであろう。
さて他国の上空を通過する事はロケットだとしても問題は無いのか?と言えばやはり事故の可能性が否定できず損害を受ける可能性があるのでかなり問題と言える。通常のロケット打ち上げなら2国間で損害賠償や軌道をそれた場合の爆破対処方法等を打ち合わせる事になる。それでも問題になる。実際に某国隣の韓国もロケット打ち上げ場を韓国南部に
羅老宇宙センターとして建設している。ここからロケット打ち上げを考えた場合にやはり東または南方向とすると、日本の関西から九州沖縄までの上空を通過する事になる。この為にやはり日本と韓国の間で色々と
問題となっている。つまり今回の某国によるミサイル発射も韓国のロケット打ち上げも同じ問題を抱えていると言える。
日本の場合には幸い東と南側に隣接する国が無い。太平洋があるだけなのでロケット打ち上げから見ると高緯度と言う他は非常に恵まれた環境にあると言える。米国がやはり東と南側が海になっているフロリダからロケットを打上げるのも同じ理由となる。
以上が主に技術面から見た解説となる。では今回の打ち上げは成功か?に関しては [続きを読む] にて。
[続きを読む]