2005-10-13

祝:中国有人打ち上げ2回目成功  [by miyachi]

あちこちのニュースやブログで昨日中国で打ち上げられた神舟6号の話題が。ただしスラドをはじめとして「あの中国が」みたいな論調が多い。なのであえてタイトルには「祝」を付けた。もちろん日本人ではあるので日本の宇宙開発に関しては言いたい事も山ほどあるが、他国の成功くらいは素直に認めて何が良かったのか参考にすべきだと思う。

毎日新聞社説では「社説:中国有人飛行 平和利用の指針を明確に」とあるが、日本だって情報収集衛星と言う名称の軍事偵察衛星を保有しているし、米国に至っては最初から軍事目的を持って宇宙開発をしている。出来れば平和利用に限って欲しい気持ちはあるが世の中そうはいかんでしょう。

さて中国で有人宇宙飛行が出来てなぜ日本で出来ないのか。それはビジョンの違いもあるだろうし、JAXAがやっている事が最後は研究レベルに留まっているとも言えるのでは無いだろうか。中国のやった事は米ソ(露)のやった事の焼き直しに過ぎないと言う意見も目にする。そうかもしれない。が、だから駄目だと言う事では無いだろう。宇宙開発を宇宙に行く為の単なる手段と考えれば過去の実績で優れた部分はそのまま利用すれば良い。何も液酸液水2段燃焼のエンジンは必要無いのだ。宇宙に行ってから何をするのか(中国は軍事もあるかもしれないが)、が大事であるようにも思う。

ただ過去の焼き直しではJAXAの場合には予算が下りないだろう事は容易に予想が付く。宇宙に行って何をするのか?何の為に宇宙に行くのか?が明確にならないと国は動かない。軍事目的であれ目標がある国は強い。また宇宙は次のフロンティアかもしれない。ただし今の時点で自信を持ち「XXXだから宇宙へ行く」と他人を説得できる人は日本にはいない。いたらぜひJAXAに入って欲しいくらいです(笑) 「何の為に」まずはこれが必要なのだろう。「宇宙を平和利用する為に」じゃ駄目かなあ…やっぱり弱いよなあ…

いずれにせよ中国宇宙開発の内容を見ると、現実的な対応ばかりです。技術者としてはとても参考になります。1台の万能高級車よりも10台の汎用車の方が実用的なのかもしれません。

[追記] なんて事を書いていたら松浦さんもネット上の意見に対してブログで反論されている。基本的には私がスラドに書いた事をもっと詳しく的確に説明されている。必読でしょう!あとdokuさんも似た感想をブログに。皆さん同じようにネット上での今回の打ち上げに対する反応に異論があるようで(笑)トラックバックしとくかな…

関係ありませんが最近は宇宙開発の話題が多くて少し嬉しかったりします。「露宇宙庁:4人目の宇宙観光客、日本人実業家が候補に」では予想通り元ライブドア取締役の榎本氏がいよいよ宇宙へとの話題。う~むええなあ(笑) 同じライブドアでも「堀江貴文氏:今度は「宇宙旅行」 ビジネス化に意欲満々」の記事も(^^; まあ頑張ってください。「JAXA:次世代超音速機の飛行実験に成功」は失敗に終わった1回目と違って見事にリベンジを果たしたSST実験機。良かったですねぇ!NAL時代から実機を作っていないと言われ続けていましたが、ぜひ今後も実機を作って試験も続けて欲しいです。SSTの是非に関してはまあ色々ありますが…

2005-10-13 13:12:42 - miyachi - [宇宙開発] -

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