2005-06-01

趣味と仕事  [by miyachi]

このタイトルを書くのはやはり宇宙仲間であるほったさんのホームページにある同じタイトルの文章があるからです。詳しくはそちらを読んで頂くとして、要点を抜粋してみましょう。

わたしの友人にピアニストがいます。その友人と話をした時のこと。
「ピアニストになってる人って、小さい頃から音楽が好きで、大きくなって夢が叶ったぁ~! っていう人が多いの?」
と訊いたところ、
「う~ん・・・」
としばらく考えた後、私にとって意外な答えが返ってきました。

「小さい頃からピアノ“しか”やってなくて、ハタと気がつくとピアノしかできなくて・・・、という人が結構いる。」

ということですから、音楽を生業(なりわい)としている人に、軽々に予断で以て、
「いいですねぇ。好きなことでお金が稼げて。」
などと言うのは禁忌なんだそうです。


なるほど。で宇宙開発業界でも同じであり、好き嫌いは別にしてその道のプロである事が誇りになると。

さて翻って我が身を見てみましょう。う~ん私って好きでプログラマをやっているよなぁ(^o^;; ソフト業界では大多数とは言いませんが同じようなプログラマは結構いると思います。では先のピアノ演奏者と何が違うのでしょう?それは自分の意思の違いもあるように思います。私がプログラマを目指したのは大学時代にマイコンに触れた事がきっかけで、好きでプログラマを目指しました。ピアノ演奏を小さい子供が始めるのはやはり親の意思がはたらいているのでは無いでしょうか。

プログラマ以外に同じような状況なのはクリエイティブ系の仕事の方は同じような人がいるかもしれません。プログラマもクリエイティブ系に近いのかもしれません。他にはほったさんも書かれていますが自動車・オートバイ業界のエンジニアも近いのかもしれませんね。これらの業界に共通しているのは「個人でも趣味でも出来る仕事」かもしれません。フリーのプログラマやデザイナやバイク技術者はいますし、趣味のプログラマやデザイナやバイク技術者もいますよね。でもフリーの宇宙技術者や趣味の宇宙技術者は…皆無?そもそも個人でどうこうできるレベルの仕事では無いですね(^-^;;

「いいですねぇ。好きなことで・・・」

と私が言われたら「はい。ラッキーだと思ってます!」と答えてしまうでしょう(笑)

小さな会社や個人で事業をやっている技術者には趣味と仕事の区別のつかないケースもあるように思います。問題は例えば宇宙開発であれば、このような小規模な技術者集団が仕事をする余地が無いところにあるのではないかと思います。ピアニストのケースは個人の意思の違いでしょう。

私が目指すのはプログラミング・マニアが集まり、他の集団より優れた成果を短時間で実現できる技術力を持ったチームの実現です。純粋な宇宙業界では無いかもしれませんが、これは例えば昨年民間初の宇宙到達を果たしたスケールドコンポジット社であったり、ロッキードにあった全盛期のスカンク・ワークスにも共通する物があるように思います。

では現在の日本の宇宙開発でこれが出来ないのはなぜか?やはりこれはベンチャー企業と言う風土やスケールが日本には根付いていない点が大きいのように思います。小さな会社だけどやりたい事を好きにやれる自由がある。それがベンチャーの醍醐味かもしれないと思うのでした。株式公開を果たして大儲けするのはベンチャーの醍醐味としては邪道な気がしますね(^_-)
2005-06-01 13:16:44 - miyachi - - [宇宙開発] -