2005-11-18

陸域観測技術衛星「ALOS」と情報収集衛星「IGS」  [by miyachi]

「はやぶさ」が今最高に盛り上がっているところだが、来年早々に打ち上げ予定のH-2Aの8号機で打ち上げられる陸域観測技術衛星「ALOS」の話題もぼちぼち出始めた。例えば「エコマーク:H2Aロケット8号機に表示」なんかがそうだ。これはALOSが環境保全に役立つと言う事でエコマークの表示が認められたと言う記事だ。H-2Aは液酸液水のエンジン利用と言う意味でもエコなロケットだし良いかも。

さてそんなエコな衛星であるALOSだが、実は実質偵察衛星である情報収集衛星ことIGSとは深い関わりがある衛星だ。IGSに搭載されているセンサはALOSに搭載されているセンサをベースに開発されたからだ。現在のIGSには3つのセンサが搭載されている。

 OPS-Pパンクロマチックセンサ:ALOSのPRISMをベースに性能向上
 OPS-Mマルチスペクトルセンサ:ALOSのAVNIR-IIをほぼそのまま
 SAR合成開口レーダ:ALOSのPALSARをベースに性能向上


それぞれALOSのセンサをほぼそのままか性能向上したものだ。これはIGSとALOSが目的は違うが利用する手段はどちらも地表の情報を集めると言う事で共通だからだ。もちろん運用も異なる。ALOSは1機に全てのセンサを付けた巨大な衛星だし、IGSは光学センサ型とレーダ搭載型の2種類でかつ本来は4機体制で頻繁に撮影が可能な運用がなされる。

また当初は2002年だったALOSの打ち上げがここまで遅れたのはやはり割り込んで来たIGSの影響があると見るのが普通であろう。IGSの最初の2機は2003年に上がっている。

ALOSの文字を見てこのような事を考えるのも、IGSの時に3DCGを作ったりしていた関係もあったりする。情報収集衛星に関してはその時に色々と考察や推測をしているので興味がある方はこちらを見て欲しい。

IGSは運用面での懸念があったが松浦さんの記事などを見ると予感が的中しているようだ。だが何事も始めなければノウハウは手に入らない。その意味ではぜひ頑張って欲しいものです。ALOSは色々な意味で実用になる衛星でしょう。来年の打ち上げ成功を祈っています!

[追伸] 今日の夕方に某宇宙開発サイトのS氏が事務所に遊びに来る予定(^-^)/
2005-11-18 12:27:53 - miyachi - - [宇宙開発] -