2009-12-03

PDF/A-2とISO32000-2とPAdESと  [by miyachi]

最近のPDFの状況を簡単にまとめてみましょう。現在ISO等で検討されているPDFの仕様としては、ISO32000-2と呼ばれるPDF2.0の仕様がまずあります。それとは別にPDF/A-2と呼ばれるPDF1.7(ISO32000-1)をベースとした仕様もあります。

PDF/AはPDFの長期保管の為の仕様です。既にAcrobat9.0ProではPDF/A-1の仕様に従っているかどうかをチェックするプリフライト機能とPDF/A-1bへの変換機能も付いています。PDF/Aはカプセル化して将来それだけで必要な情報は全て揃うようにPDFの仕様のうち使って良いものを指定したプロファイルとなります。例えばフォントに関しては全て埋め込みが必要ですし、カラースペースもデバイス独立か埋め込みが必要となります。更にPDF/A-1aと言う仕様がPDF/A-1のフル仕様対応版となりますが、タグ情報により文書の順番等も指定する必要があります。この辺りはちょうどPDF/A関連の仕事をしているので勉強しているところです。

PDF長期署名の仕様であるPAdESはISO3200-2にもPDF/A-2にも採用される方向だと理解しています。基本的には従来のPDF電子署名の拡張により長期署名を実現しています。

さてPDF署名では署名データとしてPKCS#7形式を利用しています。PKCS#7はバイナリ署名データCMS形式の元となった形式です。また既にJIS化されたCAdESはCMSを長期署名化した仕様となっています。ちょっと考えるとPKCS#7の部分をCAdESに置き換えるだけで長期署名化が出来そうに思えますが、PDF特有の問題がありそれが出来ないのでPAdESと言う仕様が生まれてきたと言うことになります。小出しにすることになりますが何故「PDF電子署名+CAdES」でPDF長期署名が出来ないかはまた次回。

なおUさんのPAdES連載も既に第2回が出ています。こちらも是非ご覧になることをお勧めします。自堕落な技術者の日記 「連載:PAdES(PDF長期署名)について(第2回) PDF署名とは」

2009-12-03 12:37:10 - miyachi - [PKI/暗号] -

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