2005-09-05

HOPE・のぞみ・きぼう  [by miyachi]

この3つの名前を見てピンときますのでしょうか。全て日本の宇宙開発に関連する名称です。が…どれも最後は残念な結果になりそうな。

まずはHOPEは和製ミニスペースシャトルとしてNASDA/NALが開発をしていました。その前段階として、軌道再突入実験機(OREX)・極超音速飛行実験(HYFLEX)・小型自動着陸実験(ALFLEX)までは開発されましたが、H-2Aで打ち上げる最終段階のHOPE-Xで開発は2000年に凍結されてしまいました。今となっては有翼のこの機体では実現までに遠い道のりが待っていた事も判りますので、ある意味仕方が無かったのかもしれません。

次は火星探査機PLANET-Bこと「のぞみ」です。こちらは旧ISASが打上げた科学探査機ですが、打上げ後にトラブルが続出して残念ながら火星近傍を通り抜けてしまい、火星探査としては失敗となってしまいました。これはもう松浦さんの「恐るべき旅路——火星探査機「のぞみ」のたどった12年」を読む事をおすすめします。結果は失敗に終わったものの得られたノウハウも少なく無く、結果だけで世間に叩かれたのはちょっと残念でした。

そして最後がNASDAが開発したISSの日本モジュール「きぼう」です。物自体は既に出来上がっておりNASAに搬入もされていますが、スペースシャトルの事故以来いつ打ち上がるのかさえ判らない状況です。と言っていると遂にNASAが更に縮小の発表を。なんと今後ISS用としてシャトルはもちろんその後継であるCEVも貨物型シャトルも使わないと言うのだ。え~すると「きぼう」の打上げはどうなるんでしょうか?(^^; 後は民間ロケットかロシアに頼る事になりそうですが「きぼう」程大きなモジュールの打上げは可能なんでしょうか。可能だとしてその料金はいかほどに… 無理… かなぁ… と言うか無理して上げても単体ではあまり意味が無いらしい。一番良い選択は撤退では無いでしょうか。ISSに関してはこれ以上頑張ってもお金が出て行くばかりのような気がします。

と言うことで日本の宇宙開発において「希望を託す」ようなネーミングはあまりゲンが良く無いようです。他にネーミングでゲンが良く無いのは「ADEOS」こと「みどり」もそうかも。そもそも「ADEOS」ってスペイン語で「さようなら」の意味ですから。最初の「みどり」が1996年打上げで翌97年に機能停止。再度挑戦した「みどりII」も2002年打上げで翌03年に機能停止。2回目もあえて同じネーミングで挑戦した関係者の心意気は買いたいですが、失敗した時のダメージもより大きいですね(^^;

ネーミングでどうこうなるとかジンクスとかは科学的でも何でも無いですが今後は「いのり」とか「ねがい」とかはやめた方が良い気がする私は軟弱者?(^^;

2005-09-05 12:42:35 - miyachi - [宇宙開発] -

コメント一覧

コメント無し

コメントを書く

このアイテムは閲覧専用です。コメントの投稿、投票はできません。