「キューブサット物語」を読了したので感想でも。この本は東大と東工大の研究室の学生が本当に衛星軌道にのる小さな衛星を作り上げて運用するまでのお話。
以前に読了した
「上がれ! 空き缶衛星」の続編にもなる。
空き缶衛星ことCanSatは衛星の仕組みを学ぶ為に空き缶サイズの衛星(厳密には衛星では無いが機能は同じ)をアマチュアのモデルロケットに搭載して打ち上げるものだった。最近では北海道の
CAMUI(カムイ)型ハイブリッドロケットでもCanSatの打ち上げは行われているらしい。
今回はその上のクラスとして10cm四方で1KgのCubeSat(キューブサット)を開発して本当に宇宙に打ち上げてしまおうと言うプロジェクトの記録だ。難易度はCanSatの比では無いはずだし、打ち上げロケットをめぐって二転三転する様子はとても大変そう。でも学生達の熱意が良く伝わってきた。心底羨ましい(笑) 「上がれ! 空き缶衛星」では読後に物足りなさを少し感じたが今回の「キューブサット物語」は打ち上げまでじっくりと書き込まれていて結構読み応えもあった。
と言う事で感想と言っても実はCanSatと同じで生き生きとした学生達の苦悩と熱意を追体験できる点では全く同じ。エンジニアなら誰でも読み終わるとなんだかやる気が出てくる本である。彼らのプロジェクトに比べればささやかだし注目をあびないがうちにもプロジェクトはある。私はプログラマだから物作りと言ってもソフト開発になるが、今開発しているソフトを無事に世に出してやりたいと考えている。その為のやる気をこの本の学生の皆さんから少し貰って私も頑張りましょう!と言う事でエンジニアの皆さんには良書だと思います。ぜひ!
[2005-10-31追記]
松浦さんのブログ「東大Cubesat XI-V成功の場に立ち会う」で読み終わったらカバーを外してみましょうと書いてあった。早速外してみると…おお!これは良いアイデアだ。ふ~んなるほど。と言う訳で書籍お持ちの皆さんはカバーを外してみましょう!なお上記ブログは2機目の打ち上げ時の状況が分かるのでこの本を読み終わった人はぜひご覧ください!